【抗議声明】神戸製鋼所による石炭火力発電所増設計画に係る公害調停 打ち切りに対する抗議声明(2018/11/07)

神戸製鋼所による石炭火力発電所増設計画に係る公害調停

打ち切りに対する抗議声明

 

2018年11月7日

神戸製鋼石炭火力公害調停申請人一同

神戸製鋼石炭火力公害調停弁護団

 

 本日、兵庫県公害審査会調停委員会(以下「調停委員会」という)は、株式会社神戸製鋼所及び株式会社コベルコパワー神戸(以下「神戸製鋼」という)が神戸市灘区において操業している石炭火力発電所である神戸発電所1・2号機(以下「既設発電所」という)の実効性ある公害対策等を求める公害調停について、公害紛争処理法第36条に基づき打ち切りを決定しました。

 昨年12月14日の調停申請以来、三次にわたって、計481名にのぼる多数の市民が、将来の地域環境および地球環境に対する多大な影響を懸念し、神戸製鋼らに対し新設の発電所3・4号機(以下「新設発電所」という)の計画中止、既設発電所のさらなる公害対策の実施及びこれらに関係する情報公開や環境アセスのやり直し等を求めて調停申請しました。その後、新設発電所について工事計画の届出がなされたことに伴い、新設発電所の計画中止に関する申請のみを取り下げたうえで、既設発電所の公害対策等に絞って、現地調査や協議の継続を求めてきました。その中で神戸製鋼が招いた調停打ち切りに対して、ここに強く抗議します。

 神戸製鋼側においては、公害調停を何ら考慮することなく、また環境アセスでの環境大臣及び各首長意見で求められた地域住民に対する丁寧な説明の履行をも無視しつつ、環境影響評価書の提出・縦覧、電気事業法に基づく届出手続を進め、さらには10月1日には工事着工を強行し、計画・建設の既成事実化に邁進してきました。さる9月14日、近隣地域に在住の31世帯の家族と子どもたちを含め40人の原告が、新設発電所の建設・稼働差し止め等を求める訴訟を神戸地裁に提起しましたが、これは、神戸製鋼らが調停での協議進展のないまま新規発電所の着工に踏み切ろうとしたことによるものです。一方、その他の重要な事項について協議が継続中であるにもかかわらず行われた調停の打ち切りは、当事者も協議テーマも完全には重なっていないのに、神戸製鋼が別件の提訴をいわば口実として、地域環境に現に大きな負荷を与えている既設発電所の公害対策等の協議をも拒否したものに他なりません。地域の深刻な公害問題についての真摯な協議と公害対策の実施という調停の目的が全く達成されず、その意義を失わせた責任はすべて神戸製鋼側にあります。

 神戸市南部は、過去に深刻な大気汚染公害を経験し、現在まで様々な対策が国・自治体・関係者によって取り組まれてきました。このような地域に既設発電所の排出対策の抜本的強化も行わないまま、新設発電所を増設し、世界的に見ても巨大な排出源となるこの発電所を長期間にわたって操業することは到底認められません。また、神戸製鋼が、行政および調停委員会からも要望された市民への丁寧な説明の機会・責務を自ら放棄し、再び地域住民の健康を脅かすことは、地域の環境再生の歴史的な取り組みに逆行するものです。さらに新設発電所および既設発電所からのCO2排出は膨大となることから、気候変動の深刻化を招きます。これは次世代が暮らす世界の気候や環境を脅かすものにほかなりません。

 調停申請人一同及び弁護団は、神戸製鋼に対して、現在・将来の環境と人々の健康を守るため、この計画に声を上げる多数の市民とともに、裁判の内外を通じて新設発電所の建設の見直しと既設発電所のさらなる公害対策の実施およびそれらの問題に関する地元住民との真摯な協議などを引き続き強く求めていきます。

以上    

ダウンロード
【抗議声明】神戸製鋼所による石炭火力発電所増設計画に係る公害調停 打ち切りに対する抗議声明(2018/11/07)
20181107神戸製鋼所による石炭火力発電所増設計画に係る公害調停 打ち切りに
PDFファイル 75.1 KB

ダウンロード
公害調停と非公開主義についての弁護団見解
公害調停と非公開主義についての弁護団見解.pdf
PDFファイル 63.7 KB