【プレスリリース】石炭火力発電所の新設・稼動を止めるのは国 神戸製鋼の新設石炭火力発電所について行政訴訟を提起(2018/11/19)

~石炭火力発電所の新設・稼動を止めるのは国~

神戸製鋼の新設石炭火力発電所について行政訴訟を提起

 

神戸製鋼石炭火力差止訴訟原告団・弁護団

 

 神戸製鋼が現在建設を進めている石炭火力発電所(新設発電所、130万kW)について、本日、発電所の周辺住民等12人は、国を被告として、環境影響評価書の確定通知の取消し及びCO2排出規制を求める行政訴訟を大阪地方裁判所に提起しました。新設発電所から排出されるCO2(年間約700万トン)や大気汚染物質によって被害を受けるおそれがあるとして、①新設発電所にかかる環境影響評価書の変更をする必要がないと認めた経済産業大臣の通知(確定通知)の取消しを求めるとともに、②特に地球温暖化対策に関して、パリ協定に整合する規制基準が制定されていないことが違法であるとの確認を求めるものです。

 

 既に世界各地で地球温暖化の影響が現れ始めており、日本でも異常気象や自然災害による被害が悪化の一途をたどっています。世界の気温上昇を産業革命前から2℃を十分下回る水準に止める(1.5℃をめざして努力する)ために、今世紀後半までにCO2排出を実質ゼロとする長期目標を定めるパリ協定のもとで、まず、最大の排出源である「石炭火力発電」からの脱却が求められています。たとえば、フランスは2021年までに、イギリスは2025年までに全廃すると宣言しています。これに対し、日本では、パリ協定を締結し、2050年に80%削減を目指すとしているものの、そのために不可欠である石炭火力発電所に対する実効的規制を行っておらず、なお35基もの石炭火力発電所の新設計画があります。

 また、本件発電所の周辺地域は、かつて深刻な大気汚染公害を経験し、今なお環境改善の途中にある人口密集地域であり、大気汚染の防止や水銀排出の抑制という観点からも石炭火力発電からの脱却が必要です。それにもかかわらず、国は、環境影響評価手続において、事業者により適切な環境配慮がなされていないことを見過ごして手続の終了を認め、建設工事を着工させてしまいました。

 

 私たちは、本年9月14日、神戸製鋼・関西電力などを被告として、安定気候享受権及び健康平穏生活権(安定した気候・清浄な空気のもとで、継続的に、健康かつ平穏に生活できる権利)を実現するため、神戸地方裁判所に、本件発電所の建設・稼働の差止めを求める民事訴訟を提起したところです。

 今回の行政訴訟は、神戸製鋼の石炭火力発電所の問題にとどまらず、35基もの石炭火力発電所の新増設を認めてしまう国の政策の違法性を問うものでもあります。子や孫たちの健康や暮らしや住みよい環境を守るため、全国の皆さんとともにこの裁判をたたかっていきたいと思います。訴訟のサポーターとなり、ご支援いただきますようお願いします。


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