【要請書】経済産業大臣へ 地球環境・地域環境保全のため神戸製鋼石炭火力発電所の計画中止を要請(2018/03/27)

2018年 3月27日

経済産業大臣 世耕弘成様

 

地球環境・地域環境保全のため神戸製鋼石炭火力発電所の計画中止を要請

 

神戸の石炭火力発電を考える会

 

兵庫県は、2018年3月16日、神戸製鉄所火力発電所(仮称)設置計画環境影響評価準備書について、兵庫県環境影響審査会の答申を踏まえて作成した知事意見書を、電気事業法の定めに従い、経済産業大臣に送付にしました。経済産業大臣にあっては、配慮書・方法書・準備書の各手続において提出された市民意見、神戸市及び兵庫県が主催した公聴会における公述意見、知事意見書の指摘等に耳を傾け、環境保全という観点から最悪の燃料を、最悪の立地で敢えて建設しようとする本計画を中止させることを求めます。

 

1.最悪の立地、最悪の発電方法、旧式で処理能力が悪い排煙処理設備

発電所の建設予定地は、PM2.5や光化学オキシダントの環境基準を達成していません。また、NO2の環境基準も0.04ppm~0.06ppmのゾーン内(現状からの非悪化が求められている地域)にあり、大気汚染公害の認定患者の方々も居住し、かつての深刻な大気汚染公害からの環境改善の途上にあります。NOx・PM法や、兵庫県のPM規制の対象地域に大規模な大気汚染源を新設することは、自動車排ガス対策等により長年の努力で積み上げてきた公害対策の成果を、否定するものです。

本計画は、住宅地から至近の、しかも、現状非悪化が求められている「最悪の立地」で行うものです。また、大気汚染・温暖化対策の観点から「最悪の発電方法」「旧式で処理能力が悪い排煙施設処理設備」を採用する石炭火力発電所を建設し、煤じんの年間総排出量を大幅に増加させることは、不適当です

 

2 温暖化対策、世界の流れに逆行する

日本は、2050年までに温室効果ガス排出量の80%減を目指して、地球温暖化対策を進めています。 石炭火力発電所は、天然ガス火力と比べて、大量の大気汚染物質を排出するだけでなく、効率も著しく劣り、二酸化炭素排出量も2倍以上になり、本件石炭火力発電所も年間692万トンに及ぶ膨大な二酸化炭素を排出します。神戸製鋼が示した温暖化対策は、関西電力が保有する石油・LNG火力の稼働の抑制や他の再生可能エネルギーによる削減効果を身勝手に充当しています。こうした計画は、21世紀下半期の早期に脱炭素をめざすパリ協定に逆行します。さらに、近時、外務省の気候変動対策に関する有識者会合の「エネルギーに関する提言」(本年2月)、日本においても、「石炭火力発電は最新のものであったとしても、パリ協定の2℃目標と整合しない。日本は石炭火力発電所の廃止を覚悟し、その基本姿勢を世界に公表していく」を否定し。日本の温暖化対策を危うくさせます。

 

3. 環境影響評価手続上のやり直しを

昨年10月に神戸製鋼のデータ改ざん問題が発覚し、兵庫県及び神戸市は、アセスデータの検証作業に追われました。この検証作業の結果、準備書の根拠となるデータに数百か所の数値の修正が必要となったことは、昨年7月に公開した準備書がいかに杜撰な作りであったかを示すものです。大気汚染物質の排出が大幅に増えることを隠したままで市民参加手続が行われ、参加手続の後に当該データを提出し、さらに、準備書が今回のデータ修正で幾重にもつぎはぎされたことに鑑みると、本件準備書は、もはや“準備書”の体を為しておらず、環境影響評価手続、特に、市民参加手続をやり直すべきです。

 

神戸の石炭火力発電を考える会

住所:神戸市灘区山田町3-1-1(公財)神戸学生・青年センター内

TEL:080-2349-0490

Mail:kobesekitan@gmail.com

HP: https://kobesekitan.jimdo.com/    

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地球環境・地域環境保全のため 神戸製鋼石炭火力発電所の計画中止 要請書
180327地球環境・地域環境保全のため神戸製鋼石炭火力発電所の計画中止を要請.
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