将来の神戸に石炭火力発電所は必要ですか?

ご存知でしたか?

兵庫県神戸市灘区で運転中の2基大型石炭火力発電所。

これに加えて、新たに2基の巨大な石炭火力発電所の建設が計画され4基になりました。

大型石炭火力発電所からは、大量のCO2(約690万トン)だけでなく、大気汚染物質が排出されます。

神戸に建てられた石炭火力発電所は、地球環境にも地域環境にも大きな影響があるのです。

神戸の石炭火力発電所問題

神戸では、すでに大規模な石炭火力発電所が2基稼働中です。さらにそこに新たに2基の巨大な石炭火力発電所が建設されました。本当に必要でしょうか?

最新設備だから大丈夫?

石炭火力発電所は、たとえ最新型であっても大量のCO2や汚染物質を排出します。将来の地球環境、地域への環境影響を考える上でも、石炭火力は最悪の選択肢です。

あなたの健康が危ない

PM2.5は体の奥深く、血中に侵入し、ガン、心臓病、脳卒中のリスクを高めます。大気環境の悪化、ぜんそくなどの健康影響も心配されます。



神戸石炭訴訟 裁判期日のお知らせ 裁判の最新情報はこちら

日付

裁判

内容

 

2023/3/9

行政

却下決定

声明

2023/3/20

民事

請求棄却

声明






【アクション報告】神戸製鋼所 株主総会2023 株主としてアクション(2023/06/22)

 20236月21日(水)、株式会社神戸製鋼所の第170回定時株主総会が開催されました。当会は、神戸製鋼所経営陣をはじめ、他の株主の方々へ石炭火力事業の見直し、事業における早期脱炭素化を訴えるため、2021年からメンバーが株主となり、株主アクションを行っています。また、神戸製鋼所グループの事業における脱炭素に関する課題をとりまとめた、「事業リスク・レポート」を編集・発行し、株主総会に参加される株主の方々へ配布しています。

 

今年も、当会のメンバー以外からも、石炭火力事業におけるアンモニア混焼のほか、グリーンスチールの動向など、脱炭素に関連する質問が相次ぎ、関心の高さが伺えました。

2023年 事業リスク・レポート

続きを読む

【ご案内】シンポジウム 私たちが裁判を通して変えたい未来―気候危機の今、神戸石炭火力訴訟で何を訴えてきたか

 2つの裁判 神戸石炭訴訟は、神戸製鋼所が計画した神戸発電所3-4号機(石炭火力発電所)の建設中止を求めて、神戸、芦屋、西宮などに暮らす市民によって提起された裁判です。建設計画を進める企業と、建設を認めた国に対する2つの裁判が提起され、大気汚染、気候危機回避を目的に2018年から続いています。大気汚染をもたらし、気候危機を加速させる石炭火力発電所の建設・稼働は、神戸における環境への影響だけでなく、世界の地球温暖化対策へ逆行するものです。

 

 

 気候危機を回避 今回のシンポジウムでは、気候危機を回避するため、日本のエネルギー政策における課題について、研究者からの報告があります。そして、神戸石炭訴訟の2つの裁判における判決を受けて、原告・弁護団が、何を法廷で訴えてきたのかについて報告します。また、登壇者や、原告、地域で環境問題に取り組む方などによるパネルディスカッションで、2030CO2排出半減に向けて、市民に何ができるかを議論します。

画像クリックでPDFがダウンロードいただけます
画像クリックでPDFがダウンロードいただけます

▼プログラム(予定)

【基調講演】

「気候危機に逆行する日本のエネルギー政策」

  大島 堅一(龍谷大学教授)【資料

 

(判決報告)

 「神戸石炭訴訟でなにを訴えてきたのか」

  青木 良和(弁護士 神戸石炭訴訟弁護団)

 

(パネルディスカッション)

「2030年CO2排出半減に向けて、市民は何ができるのか?」

 パネリスト

大島 堅一(龍谷大学教授)

明智 清明(神戸石炭訴訟・原告)

浅岡 美恵(神戸石炭訴訟弁護団・弁護士)

石井 奈美(コープ自然派兵庫 組合員理事)

星川 真砂(Fridays For Future Kobe・大学生)

※パネリストが変更となっています。

コーディネーター 久保 はるか(神戸の石炭火力発電を考える会・代表幹事)

続きを読む

【声明】神戸製鋼所 神戸発電所4号機運転開始へ抗議

【声明】神戸製鋼所 神戸発電所4号機運転開始へ抗議

-住民の健康・気候悪化リスクを高める石炭火力発電所の稼働を容認できない-

2023/2/1

神戸の石炭火力発電を考える会

 

21日、神戸製鋼所は、神戸線条工場内(神戸市灘区)において建設中であった4機目の新設石炭火力発電(神戸発電所4号機65kW)の営業運転を開始しました。これにより、2014年より計画された、2基の石炭火力発電所増設計画が完了したこととなります。すでに稼働中であった1-3号機と合わせると、270万kWにもなる、日本有数の石炭火力発電所集積地域が人口150万都市の神戸に出現しました。

石炭火力発電所は、世界における温室効果ガスの主要排出源として、先進国においては、2030年までの全廃の必要性が認識されています。さらに、異常気象が地球規模で確認され、その深刻さが増すなかで、新たな石炭火力発電所を稼働させた神戸製鋼所に対し、厳重に抗議し、稼働停止を求めます。また、売電先の関西電力に対しては、電力需給契約の解消を求め、神戸発電所を稼働させないように求めます。

 

これまで、当会をはじめ、石炭火力による悪影響を懸念する市民は、神戸製鋼所に対して幾度も、新設石炭火力建設の見直しを求めてきました。気候危機だけでなく、コロナ禍が続き、健康に不安を覚える日々が続く中で、さらに健康影響リスクをもたらす、石炭火力発電所の新規稼働を許容することはできません。

神戸発電所周辺は、京阪神地域の工業化の進展、道路交通の増加に伴う大気汚染公害により、多くの市民が健康被害を受け、今なお、特段の大気汚染対策の実施により大気環境の改善が図られている地域です。当会は、20215月に3号機の試運転が開始されて以降の環境影響を監視・把握し、環境モニタリング体制の不全などを指摘してきました。稼働に伴う大気環境への影響は、決して軽微なものではありません。住民の清浄な大気のもとで健康に暮らす権利を脅かす石炭火力事業を認めることは、到底できません。

 

当会は、現世代及び次世代が安定した気候のもとで暮らす権利を守り、未来をつないでいくために、当石炭火力発電所の建設・稼働差止を求める民事訴訟、建設を認めた国に対する行政訴訟の2つの裁判を提起し、法廷で闘う原告を支援しています。今や気候変動問題は、深刻な人権侵害を引き起こす新たな公害問題として、私たち市民、一人ひとりに切迫した危険となっています。発電所の建設・稼働差し止めを求める民事訴訟の判決が320日に予定されています。裁判所には、次世代が良好な大気環境・安定した気候のもとで平穏に暮らす権利を守るべく、石炭火力発電所の稼働差し止めを認める公正な判決を下すことを求めます。

国に対しては、気温上昇1.5℃未満の実現のため、2030年までの早期に脱石炭を実現し、アンモニア混焼等の石炭火力延命策の見直しを求めます。また、火力発電所が立地する自治体においては、市民に対して発電所による環境影響を周知すると共に、省エネルギーの取り組み、地域主体の再生可能エネルギーの普及促進を通じて、火力発電所の削減につながる施策の検討、実現を要請します。

 

 神戸発電所4号機が稼働しても、当会が掲げてきた石炭火力問題に対する姿勢は不変です。引き続き、裁判所だけでなく、社会へも訴え続けていきます。また、できる限りの省エネ・再エネ普及に取り組むだけでなく、気候危機を引き起こす、社会・経済システムの転換を求め共に行動し、声をあげていく市民と連帯していきます。

 

ダウンロード
【声明】神戸製鋼所 神戸発電所4号機運転開始へ抗議-住民の健康・気候悪化リスクを高める石炭火力発電所の稼働を容認できない-
20230201KOBELCO-P2-Start2_Fin.pdf
PDFファイル 119.2 KB

【報告】「神戸市地球温暖化防止実行計画」改定案へのパブリックコメントを提出しました

2022年12月14日〜2023年1月19日まで実施された、神戸市地球温暖化防止実行計画の改定案に対するパブリックコメントについて、当会から意見を提出しました。

P1 (3)世界・国の動き

パリ協定・グラスゴー気候合意でめざしている1.5℃目標達成のためには、カーボンバジェットの考えに基づく目標設定、対策が重要である。とりわけ2020年から2030年の10年間に排出削減対策を加速させる必要があると明記するべきである。

 

P2 神戸市の温室効果ガス排出量

「なお、2017 年度から 2018 年度にかけては、市内大規模工 場の一部移転により、産業部門における温室効果ガス排出量が大きく減少している。」としているが、具体的な数値で示す必要がある。削減は主に神戸製鋼所の高炉休止による影響と思われるが、その削減量と現状の対策による削減効果が検証できなければ、現状の対策で十分かどうかを判断することが難しい。とりわけ、高炉休止の跡地に、新たに大型石炭火力発電所が立地することから、市民に対する丁寧な情報提供と説明が必要不可欠である。

たとえば、「神戸発電所3-4号機からの排出は最大692万t-CO2、1-2号機から●●●万t-CO2の排出があるが、発電部門は市域からの排出量としてカウントしない。」など、明記し、市民に対して発電所による環境影響と本計画に含まれない理由を説明する必要がある。

 

P4 神戸市のカーボンフットプリント

P13 重点施策1脱炭素型ライフスタイルへの転換

カーボンフットプリントによる消費ベースで排出を認識することが市民の行動変容について重要とされている。しかし、間接排出を用いることにより、最終消費先である市民(消費者)へ、排出の責任を転嫁するという面がある。そもそも、商品・サービスの提供を受ける、消費者がとり得る選択肢は限られており、できるだけ上流部分(事業者側)における対策が重要である。そのうえで、市民に対する情報開示を行い、環境配慮行動への呼びかけが必要である。

 

たとえば、神戸発電所34号機が稼働することで、年間最大693万t−CO2が排出される。市民一人ひとりが意識的に、省エネや節電等の環境配慮行動をとったとしても、その削減効果がかき消されてしまう。それほどまでに石炭火力発電所の悪影響は大きい。したがって、カーボンフットプリントによる消費ベースで排出を見るだけでは不十分である。現状のエネルギー供給体制を含め、直接排出と比較することが重要である。そのうえで、神戸市は行政の役割として、市民の削減行動が無駄にならないよう、各事業者に対する排出削減策の要請ならびに、市民に対する情報開示を促すべきである。こうした取り組みを行うことで、市民はどのようにすることで、温暖化対策に貢献する最も効果的な方法はなにかを認識することにつながると考えられる。

 

7 (8)目標

2030年60%以上削減としているが、高炉休止による削減効果を明記し、削減の内訳を丁寧に説明しなければ、温暖化対策が不十分であっても、十分に進んでいると、誤った認識を形成してしまう恐れがある。2019年時点で、36%削減のうち、高炉休止がどの程度あって、これまでの対策による削減量と比較できるようにしなければ、対策への危機感を弱めてしまうことから、丁寧な情報提供と説明が必要である。こうした説明がなければ、市民と共に気候危機に対する認識を共有する妨げになることも考えられる。

 

P19重点施策2 水素エネルギーの利用促進

カーボンニュートラル燃料として、水素とアンモニアが紹介されているが、エネルギー部門における地球温暖化対策としての“切り札”として描くことには、問題がある。水素利用は、他に脱炭素化の手段がない分野に優先して使うべきとされており、用途を特定したうえで、必要量、供給体制等を検討する必要がある。

たとえば、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、20221月に公表した報告書の中で、水素利用のあり方について「水素は製造、輸送、変換に多大なエネルギーが必要で、水素の使用がエネルギー全体の需要を増大させる。したがって、水素が最も価値を発揮できる用途を特定する必要がある。無差別的な使用は、エネルギー転換を遅らせるとともに、発電部門の脱炭素化の努力も鈍らせる。」と指摘している。

ほかにも、国際エネルギー機関(IEA)が発表した2050年までのCO2排出ネットゼロに向けたロードマップ「Net Zero by 2050」において、技術別の累積排出削減量として、太陽光、風力、電動車による削減への貢献度が高いことが示されている。一方で、CCUSや水素は実証/試験段階かつ削減の貢献度が低いとされている。

 

また、現在、供給されている水素のほとんどは、化石燃料を改質した「グレー水素」である。水素製造時の排出量まで含めて考慮されなければ、地球温暖化対策として有効に機能するとは限らない。計画においては、製造時の環境負荷について、「コラム〜色のついた水素〜」で紹介されており、化石燃料由来で製造過程にて発生するCO2を回収・地中貯留などすることで大気中へのCO2排出ゼロとなる「ブルー水素」について触れ、「神戸市において「グリーン水素」の割合が増えるように取り組んでいく。」とされている。しかし、ブルー水素についても、欧州では単にCCSを用いて排出削減策を講じているだけでは不十分とされ、推進や政策的な支援の対象としないとされている。ただ単に、日本政府が推進しているから、神戸周辺に水素関連の企業が集積しているからを理由に、全方位の誤った水素利用戦略を神戸市が追認する必要性はない。

さらに、発電部門においては、アンモニア利用も検討されているが、水素と同様の問題を含んでいる。たとえば、100万kWの石炭火力発電所で20%混焼した場合でも、製造段階でのCO2排出を含めると、わずか4%の削減にしかならない。現状で、高コストであり、技術的に十分に確立していない技術に、過度に期待や依存をすることで、緊急性のある排出削減策が遅れてしまうことが懸念される。すでに実用化されている、再生可能エネルギーに注力することを最優先する必要がある。

 

P23 重点施策3 電動車の普及促進

電動車の普及促進は、地球温暖化対策として有効であることから、防災機能と合わせて記載されている計画案の方向性は望ましいものである。しかし、FCVについては水素を必要とすることから、重点施策2でも指摘した、他に脱炭素化の手段がない分野に優先して使うべきかについて、検討する必要がある。

近年、バッテリー技術の進展に伴って、コストの低下、充電時間の短縮などが見られるようになってきた。こうした点を踏まえると、FCVが移動分野を担うことが適切かどうかについては、慎重に見極める必要がある。また、EVであっても、FCVであっても共通して言えることは、いかに排出が少ない・ゼロの方法で製造・発電されているかが重要である。したがって、重点施策4 再生可能エネルギーの拡大は、エネルギー供給、およびカーボンフリー燃料の製造、いずれにとっても極めて重要な意味を持つといえる。

 

P26 重点施策4 再生可能エネルギーの拡大

再生可能エネルギーの導入は、エネルギー部門の脱炭素化において有効であり、さらなる普及が望まれる。神戸市は住宅用太陽光の導入件数が政令市20市中、第4位とのことだが、現状の普及ペースで、2030年に国目標の2倍の導入量を実現することは可能なのかについて、バックキャストで政策評価が行われていないように見える。川崎市では、2050年脱炭素社会の実現を見据えて、2050年に93.6kWの達成に向けて、2030年に33万kWの導入が必要と試算している。そのうえで、これまでの実績を踏まえると、約2倍の導入スピードが必要としている。そのために、太陽光発電の設置義務化を建築メーカーに対して求める条例が検討されている。神戸市においても、住宅用太陽光の設置義務化や、公共施設の建て替え等に際して、導入が最大限に促されるよう、新たなルールを整備することを通じて、再生可能エネルギーの普及に強いシグナルを発信することを検討するべきである。また、神戸市として、再生可能エネルギー100%を、どの時期に目指すのかなど、具体的な目標を掲げたうえで、公有施設に使用する電力調達を再エネに限るなど、作る後押しと並行して、市内一事業者の消費者の立場として、強いメッセージを発する仕組みづくりが必要不可欠である。

 

P30 重点施策5 産業の脱炭素化の促進

神戸の温室効果ガス排出量の半分近くを占める産業・業務部門の脱炭素化の必要性は、神戸経済の行く末を考えるうえで、重要である。そのうえで、RE100、TCFDへの賛同の動きから、サプライチェーンを含む排出量への注目が高まっているとしている。スコープ1は、(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼等))、スコープ2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)、スコープ3(スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出))とされている。こうした動向を踏まえると、今後、スコープ3の取り組みが増加すると考えられ、対応に取り組む事業者が増加することで、市内中小企業の取り組みも重要となると分析している。しかし、スコープ3を重視するのであれば、原材料の調達、電力の排出係数を大きく上昇させる石炭火力発電所をはじめとする火力発電所の影響は、大きなマイナス要因となる。たとえば、神戸発電所1-4号機からの排出は、売電先である関西電力のスコープ1・2・3の全てに影響が及ぶ。その結果、神戸市が計画において重要としている市内中小企業の取り組みに影響を与える。長期的な影響かつ、広範囲に及ぶ火力発電所の立地に際し、神戸市が真剣に向き合ってきたのかどうかが問われる事態となっている。市内に立地する4基の石炭火力発電所について、早期に稼働停止を求めていくことが、立地自治体の責務であり、市内中小企業の環境対策に大きく貢献することが期待される。繰り返しになるが、水素・アンモニア混焼は、技術的に確立しているとはいえず、コストが高く、削減への貢献度が低いので、製造方法など、どのようなスキームで行われているのかを厳格にする必要がある。

 

P34 重点施策6 二酸化炭素の吸収・固定

二酸化炭素の吸収・固定については、大前提として温室効果ガスの排出削減である「緩和」を最大限に努力したうえで、検討されるべきものである。しかしながら、重点施策の内容は、排出削減策が最大限実施される状況と言える状況にはない。また、取組内容として記載されているもので、どの程度の規模で、どれほどの排出削減策があるのかについて、具体的な数値について一切の記述がない。吸収・固定効果を定量的に評価することができない。今求められている2030年までの大幅な排出削減につながる施策であるとはいえないことから、行政として注力すべき対策とはいえない。こうした、本来必要な排出削減策を十分に示さず、さも効果のあるように装って計画に記載することは、市民に誤った情報が伝わる恐れがあることから、望ましい施策ではない。

 

その他:計画策定に関する意見

今回の計画策定においては、神戸市環境保全審議会にて議論が進められ、20223月頃に骨子案が神戸市HP上にて確認された。その後、審議会において4月から8月にかけて、学識経験者や専門家、事業者から科学的・専門的な知見・助言を受ける有識者勉強会が全8回開催された。そのうち3回が水素を取り扱うもので、水素への期待が見て取れる。しかしながら、有識者勉強会の詳細な資料は公開されておらず、報告の主体も神戸市環境局のほか、環境省、国交省などの省庁、事業者が中心であり、多様なアクターから報告を受け、議論が行われたとは言えない。地球温暖化の問題は、世代間格差を含むことから、委員の構成にあたっては、次世代の意見を広く取り入れ、議論を進める必要性がある。にもかかわらず、今回の計画策定には、そうした点が考慮された形跡がない。議論の期間も短く、神戸市当局の意向とスケジュールが最優先されており、市民不在の議論が続いていたと言える。

現在、計画策定の際には、パブリックコメント以外にも、住民を無作為抽出し、情報提供と議論を通じて気候変動対策について話し合う会議として、「気候市民会議」が欧州のいくつかの国、地域で試みられ、広がっている。日本においても、札幌市を皮切りに、川崎市などでも実施され、政策提言につながっている。こうした熟議を通じた意見形成、提案によって、脱炭素社会への転換を図るべきである。

神戸石炭訴訟WEBサイト

神戸石炭訴訟(KOBE Climate Case)
神戸石炭訴訟(KOBE Climate Case)

未来のための金曜日・神戸の動き

FRIDAYS FOR FUTURE KOBE(未来のための金曜日・神戸)
FRIDAYS FOR FUTURE KOBE(未来のための金曜日・神戸)

電気を選べば社会が変わる

未来につながる でんきの選び方
未来につながる でんきの選び方