将来の神戸に石炭火力発電所は必要ですか?

ご存知でしたか?

兵庫県神戸市灘区で運転中の2基大型石炭火力発電所。

これに加えて、新たに2基の巨大な石炭火力発電所の建設が計画され4基になろうとしています。

大型石炭火力発電所からは、大量のCO2(約690万トン)だけでなく、大気汚染物質が排出されます。

神戸に建てられようとしている石炭火力発電所は、地球環境にも地域環境にも大きな影響があるのです。

神戸の石炭火力発電所問題

神戸では、すでに大規模な石炭火力発電所が2基稼働中です。さらにそこに新たに2基の巨大な石炭火力発電所の建設が計画されています。本当に必要でしょうか?

最新設備だから大丈夫?

石炭火力発電所は、たとえ最新型であっても大量のCO2や汚染物質を排出します。将来の地球環境、地域への環境影響を考える上でも、石炭火力は最悪の選択肢です。

あなたの健康が危ない

PM2.5は体の奥深く、血中に侵入し、ガン、心臓病、脳卒中のリスクを高めます。大気環境の悪化、ぜんそくなどの健康影響も心配されます。



神戸石炭訴訟 裁判期日のお知らせ 裁判の最新情報はこちら

日時

民事/行政

内容

場所

2023/3/20(月)15:00

民事 判決期日

判決期日報告会

判決期日

神戸地方裁判所

神戸市立総合福祉センター

詳細ページ








【報告】「神戸市地球温暖化防止実行計画」改定案へのパブリックコメントを提出しました

2022年12月14日〜2023年1月19日まで実施された、神戸市地球温暖化防止実行計画の改定案に対するパブリックコメントについて、当会から意見を提出しました。

P1 (3)世界・国の動き

パリ協定・グラスゴー気候合意でめざしている1.5℃目標達成のためには、カーボンバジェットの考えに基づく目標設定、対策が重要である。とりわけ2020年から2030年の10年間に排出削減対策を加速させる必要があると明記するべきである。

 

P2 神戸市の温室効果ガス排出量

「なお、2017 年度から 2018 年度にかけては、市内大規模工 場の一部移転により、産業部門における温室効果ガス排出量が大きく減少している。」としているが、具体的な数値で示す必要がある。削減は主に神戸製鋼所の高炉休止による影響と思われるが、その削減量と現状の対策による削減効果が検証できなければ、現状の対策で十分かどうかを判断することが難しい。とりわけ、高炉休止の跡地に、新たに大型石炭火力発電所が立地することから、市民に対する丁寧な情報提供と説明が必要不可欠である。

たとえば、「神戸発電所3-4号機からの排出は最大692万t-CO2、1-2号機から●●●万t-CO2の排出があるが、発電部門は市域からの排出量としてカウントしない。」など、明記し、市民に対して発電所による環境影響と本計画に含まれない理由を説明する必要がある。

 

P4 神戸市のカーボンフットプリント

P13 重点施策1脱炭素型ライフスタイルへの転換

カーボンフットプリントによる消費ベースで排出を認識することが市民の行動変容について重要とされている。しかし、間接排出を用いることにより、最終消費先である市民(消費者)へ、排出の責任を転嫁するという面がある。そもそも、商品・サービスの提供を受ける、消費者がとり得る選択肢は限られており、できるだけ上流部分(事業者側)における対策が重要である。そのうえで、市民に対する情報開示を行い、環境配慮行動への呼びかけが必要である。

 

たとえば、神戸発電所34号機が稼働することで、年間最大693万t−CO2が排出される。市民一人ひとりが意識的に、省エネや節電等の環境配慮行動をとったとしても、その削減効果がかき消されてしまう。それほどまでに石炭火力発電所の悪影響は大きい。したがって、カーボンフットプリントによる消費ベースで排出を見るだけでは不十分である。現状のエネルギー供給体制を含め、直接排出と比較することが重要である。そのうえで、神戸市は行政の役割として、市民の削減行動が無駄にならないよう、各事業者に対する排出削減策の要請ならびに、市民に対する情報開示を促すべきである。こうした取り組みを行うことで、市民はどのようにすることで、温暖化対策に貢献する最も効果的な方法はなにかを認識することにつながると考えられる。

 

7 (8)目標

2030年60%以上削減としているが、高炉休止による削減効果を明記し、削減の内訳を丁寧に説明しなければ、温暖化対策が不十分であっても、十分に進んでいると、誤った認識を形成してしまう恐れがある。2019年時点で、36%削減のうち、高炉休止がどの程度あって、これまでの対策による削減量と比較できるようにしなければ、対策への危機感を弱めてしまうことから、丁寧な情報提供と説明が必要である。こうした説明がなければ、市民と共に気候危機に対する認識を共有する妨げになることも考えられる。

 

P19重点施策2 水素エネルギーの利用促進

カーボンニュートラル燃料として、水素とアンモニアが紹介されているが、エネルギー部門における地球温暖化対策としての“切り札”として描くことには、問題がある。水素利用は、他に脱炭素化の手段がない分野に優先して使うべきとされており、用途を特定したうえで、必要量、供給体制等を検討する必要がある。

たとえば、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、20221月に公表した報告書の中で、水素利用のあり方について「水素は製造、輸送、変換に多大なエネルギーが必要で、水素の使用がエネルギー全体の需要を増大させる。したがって、水素が最も価値を発揮できる用途を特定する必要がある。無差別的な使用は、エネルギー転換を遅らせるとともに、発電部門の脱炭素化の努力も鈍らせる。」と指摘している。

ほかにも、国際エネルギー機関(IEA)が発表した2050年までのCO2排出ネットゼロに向けたロードマップ「Net Zero by 2050」において、技術別の累積排出削減量として、太陽光、風力、電動車による削減への貢献度が高いことが示されている。一方で、CCUSや水素は実証/試験段階かつ削減の貢献度が低いとされている。

 

また、現在、供給されている水素のほとんどは、化石燃料を改質した「グレー水素」である。水素製造時の排出量まで含めて考慮されなければ、地球温暖化対策として有効に機能するとは限らない。計画においては、製造時の環境負荷について、「コラム〜色のついた水素〜」で紹介されており、化石燃料由来で製造過程にて発生するCO2を回収・地中貯留などすることで大気中へのCO2排出ゼロとなる「ブルー水素」について触れ、「神戸市において「グリーン水素」の割合が増えるように取り組んでいく。」とされている。しかし、ブルー水素についても、欧州では単にCCSを用いて排出削減策を講じているだけでは不十分とされ、推進や政策的な支援の対象としないとされている。ただ単に、日本政府が推進しているから、神戸周辺に水素関連の企業が集積しているからを理由に、全方位の誤った水素利用戦略を神戸市が追認する必要性はない。

さらに、発電部門においては、アンモニア利用も検討されているが、水素と同様の問題を含んでいる。たとえば、100万kWの石炭火力発電所で20%混焼した場合でも、製造段階でのCO2排出を含めると、わずか4%の削減にしかならない。現状で、高コストであり、技術的に十分に確立していない技術に、過度に期待や依存をすることで、緊急性のある排出削減策が遅れてしまうことが懸念される。すでに実用化されている、再生可能エネルギーに注力することを最優先する必要がある。

 

P23 重点施策3 電動車の普及促進

電動車の普及促進は、地球温暖化対策として有効であることから、防災機能と合わせて記載されている計画案の方向性は望ましいものである。しかし、FCVについては水素を必要とすることから、重点施策2でも指摘した、他に脱炭素化の手段がない分野に優先して使うべきかについて、検討する必要がある。

近年、バッテリー技術の進展に伴って、コストの低下、充電時間の短縮などが見られるようになってきた。こうした点を踏まえると、FCVが移動分野を担うことが適切かどうかについては、慎重に見極める必要がある。また、EVであっても、FCVであっても共通して言えることは、いかに排出が少ない・ゼロの方法で製造・発電されているかが重要である。したがって、重点施策4 再生可能エネルギーの拡大は、エネルギー供給、およびカーボンフリー燃料の製造、いずれにとっても極めて重要な意味を持つといえる。

 

P26 重点施策4 再生可能エネルギーの拡大

再生可能エネルギーの導入は、エネルギー部門の脱炭素化において有効であり、さらなる普及が望まれる。神戸市は住宅用太陽光の導入件数が政令市20市中、第4位とのことだが、現状の普及ペースで、2030年に国目標の2倍の導入量を実現することは可能なのかについて、バックキャストで政策評価が行われていないように見える。川崎市では、2050年脱炭素社会の実現を見据えて、2050年に93.6kWの達成に向けて、2030年に33万kWの導入が必要と試算している。そのうえで、これまでの実績を踏まえると、約2倍の導入スピードが必要としている。そのために、太陽光発電の設置義務化を建築メーカーに対して求める条例が検討されている。神戸市においても、住宅用太陽光の設置義務化や、公共施設の建て替え等に際して、導入が最大限に促されるよう、新たなルールを整備することを通じて、再生可能エネルギーの普及に強いシグナルを発信することを検討するべきである。また、神戸市として、再生可能エネルギー100%を、どの時期に目指すのかなど、具体的な目標を掲げたうえで、公有施設に使用する電力調達を再エネに限るなど、作る後押しと並行して、市内一事業者の消費者の立場として、強いメッセージを発する仕組みづくりが必要不可欠である。

 

P30 重点施策5 産業の脱炭素化の促進

神戸の温室効果ガス排出量の半分近くを占める産業・業務部門の脱炭素化の必要性は、神戸経済の行く末を考えるうえで、重要である。そのうえで、RE100、TCFDへの賛同の動きから、サプライチェーンを含む排出量への注目が高まっているとしている。スコープ1は、(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼等))、スコープ2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)、スコープ3(スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出))とされている。こうした動向を踏まえると、今後、スコープ3の取り組みが増加すると考えられ、対応に取り組む事業者が増加することで、市内中小企業の取り組みも重要となると分析している。しかし、スコープ3を重視するのであれば、原材料の調達、電力の排出係数を大きく上昇させる石炭火力発電所をはじめとする火力発電所の影響は、大きなマイナス要因となる。たとえば、神戸発電所1-4号機からの排出は、売電先である関西電力のスコープ1・2・3の全てに影響が及ぶ。その結果、神戸市が計画において重要としている市内中小企業の取り組みに影響を与える。長期的な影響かつ、広範囲に及ぶ火力発電所の立地に際し、神戸市が真剣に向き合ってきたのかどうかが問われる事態となっている。市内に立地する4基の石炭火力発電所について、早期に稼働停止を求めていくことが、立地自治体の責務であり、市内中小企業の環境対策に大きく貢献することが期待される。繰り返しになるが、水素・アンモニア混焼は、技術的に確立しているとはいえず、コストが高く、削減への貢献度が低いので、製造方法など、どのようなスキームで行われているのかを厳格にする必要がある。

 

P34 重点施策6 二酸化炭素の吸収・固定

二酸化炭素の吸収・固定については、大前提として温室効果ガスの排出削減である「緩和」を最大限に努力したうえで、検討されるべきものである。しかしながら、重点施策の内容は、排出削減策が最大限実施される状況と言える状況にはない。また、取組内容として記載されているもので、どの程度の規模で、どれほどの排出削減策があるのかについて、具体的な数値について一切の記述がない。吸収・固定効果を定量的に評価することができない。今求められている2030年までの大幅な排出削減につながる施策であるとはいえないことから、行政として注力すべき対策とはいえない。こうした、本来必要な排出削減策を十分に示さず、さも効果のあるように装って計画に記載することは、市民に誤った情報が伝わる恐れがあることから、望ましい施策ではない。

 

その他:計画策定に関する意見

今回の計画策定においては、神戸市環境保全審議会にて議論が進められ、20223月頃に骨子案が神戸市HP上にて確認された。その後、審議会において4月から8月にかけて、学識経験者や専門家、事業者から科学的・専門的な知見・助言を受ける有識者勉強会が全8回開催された。そのうち3回が水素を取り扱うもので、水素への期待が見て取れる。しかしながら、有識者勉強会の詳細な資料は公開されておらず、報告の主体も神戸市環境局のほか、環境省、国交省などの省庁、事業者が中心であり、多様なアクターから報告を受け、議論が行われたとは言えない。地球温暖化の問題は、世代間格差を含むことから、委員の構成にあたっては、次世代の意見を広く取り入れ、議論を進める必要性がある。にもかかわらず、今回の計画策定には、そうした点が考慮された形跡がない。議論の期間も短く、神戸市当局の意向とスケジュールが最優先されており、市民不在の議論が続いていたと言える。

現在、計画策定の際には、パブリックコメント以外にも、住民を無作為抽出し、情報提供と議論を通じて気候変動対策について話し合う会議として、「気候市民会議」が欧州のいくつかの国、地域で試みられ、広がっている。日本においても、札幌市を皮切りに、川崎市などでも実施され、政策提言につながっている。こうした熟議を通じた意見形成、提案によって、脱炭素社会への転換を図るべきである。

【アクション報告】神戸製鋼所 株主総会2022 株主としてアクション(2022/06/22)

6/22(水)、株式会社神戸製鋼所の第169回定時株主総会が開催されました。

神戸製鋼所は、大気汚染、温室効果ガスを大量に排出する石炭事業を行っています。深刻化する気候危機を回避するには、同社の脱炭素に向けた取り組みが重要です。当会は、神戸市において神戸製鋼所が行う、270万kWの石炭火力事業に対して、環境悪化を懸念する市民と共に、神戸製鋼所に対して、計画見直しの声をあげてきました。

 

2021年からは、当会のメンバーが株主となり、株主アクションを開始し、経営陣に対して事業リスクが高い石炭火力発電事業の見直し、脱炭素経営への方針転換を訴えています。また、神戸製鋼所グループの事業における脱炭素に関する課題をとりまとめた、事業リスク・レポートを毎年、編集・発行し、株主総会に参加される株主の方々へ配布しています。 

 

株主総会でのやり取り

【※質疑の内容は、内容を簡略化しており、正確性を保証するものではありませんので、ご留意ください。】

 

今年の株主総会では、当会の株主以外の方から、事業リスク・レポートの内容を参考に、石炭火力事業に関する質問がありました。神戸製鋼所の脱炭素の取り組みについて、株主の関心は年々高まっていると感じました。

 

(一般の株主)2050カーボンニュートラルによる石炭火力事業の見通しは?

(神鋼)2030年前半にアンモニア混焼・専焼を取り入れ、2050年カーボンニュートラルを達成する。

 

(一般の株主)会場前で配布されていた事業リスク・レポートでは、アンモニア混焼20%でも、CO2排出量は4%しか減らないと書かれているが、それは本当か?

(神鋼)アンモニアが何から生成されるのかによってCO2排出量が異なる。再エネから作られるグリーンアンモニア、CCS付きのブルーアンモニアの利用を目指している。

 

(当会の株主)2021年9月の発電コスト検証WGとりまとめで日本においても石炭より再エネが安価になるという分析が出た。このような分析が出ても、石炭火力を使い続けるのか?

(神鋼)確かにそのような分析が出たが、政策経費を考慮すると、再エネには系統安定性を確保する必要があり、そのコストが再エネ価格に上乗せされる。事業用太陽光(11→19円)は石炭(13.6→13.7円)よりも高くなる。国のエネルギー基本計画に基づいて、エネルギー源の長所、短所を活かす必要があると考えている。

 

(当会の株主)グリーン水素は(現状は)再エネから生成するのでコスト高、ブルー水素はCCSの利活用が必要で、石炭の価格だけでなく、水素の生成やCCSのコストが上乗せされる。石炭の価格も高くなっていくと予想される。こうしたトレンドを見る限り、再エネはコストが下がっていくが、石炭が再エネよりコスト安になることはないと思われるが、再エネにコスト負けするまで石炭火力発電事業を続けていくのか?

(神鋼)再エネと石炭が対立しているように話されているが、再エネ、石炭の長短ベストミックスでやっていくのがよいと考えている。日本はすでに平地太陽光は世界トップで、これ以上広げる余裕がない。再エネを広げるとなると風力だが、送電コストが弱点。これを補うのに石炭に一定の役割があると考えている。

 

(当会の株主)公正な移行について。日本政府が取り組むとなったとき、神鋼は積極的に議論に参加する用意があるか?

(神鋼)公正な移行という考え方があるのは知っているが、政府による公正な移行の定義はまだない。参加するかどうかは政府次第のため、仮定の話なので回答できない。

 

(当会の株主)COP26においても、この10年(2020年からの)での取り組みとして、脱石炭に向けた動きが決定的に重要と言われている。2030年までに何に取り組むのか。石炭火力事業の見直しは?

(神鋼)日本政府は①混焼(アンモニア・水素等)により石炭比率を下げる、②非効率石炭をフェードアウトする2つで2050カーボンニュートラルを達成する予定。これには水素利用やCCS等が含まれる。5月のG7環境大臣会合ではアンモニア利用も脱炭素の取り組みとする合意がなされた。当社としては自社のロードマップに従って動く予定。1-2号機は高効率なので非効率石炭火力のフェードアウトの対象外。排熱利用、バイオマス、アンモニア実証などを行う予定としている。

 

株主総会を終えて

気候危機による影響を最小限に留めるため、国際社会においては気温上昇1.5℃未満を目指すことが重要であるとの科学的知見にもとづき、国際合意が形成されています。とりわけ、先進国においては「2030年までの脱石炭」の必要性が高まっています。しかしながら、日本政府の不十分な気候政策に従う神戸製鋼所は、2030年前半に自社の石炭火力発電所において、アンモニア混焼を目指すとしています。これでは、1.5℃に向けた排出削減策としては不十分です。また、G7合意においてアンモニア混焼が認められているとの見解を示していますが、日本政府の拡大解釈によるものです。アンモニア混焼による削減効果の定量的評価に対する懸念とリスクだけでなく、G7合意の拡大解釈による経営方針の選択は、政策変更リスクもあります。神戸製鋼所は、自社の高い技術力を活かして、再エネを中心とする脱炭素社会の構築に貢献する方向へ、方針転換する必要があります。

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【コメント】関西電力株式会社 第98回定時株主総会における3自治体の株主提案について

【コメント】

関西電力株式会社 第98回定時株主総会における3自治体の株主提案について

2022/5/23

神戸の石炭火力発電を考える会

 

428日、関西電力株式会社の株主である大阪市、京都市、神戸市は、共同で脱原発、脱炭素、情報開示等を求める株主提案を発表した。関西エリアで、最も顧客シェアを有するエネルギー供給事業者は関西電力である。株主提案は、自治体が、関西電力の経営方針に対して直接、意見することができる貴重な機会である。エネルギー供給事業者の経営方針は、多くの市民、企業活動に影響が及ぶことから、自治体株主による低炭素から脱炭素への移行に向けた積極的な提案は、市民の生活環境を守るうえでも重要な意味を持つ。

 

当会が取り組む神戸における石炭火力問題においても、関西電力は重要な役割を果たしている。神戸発電所1-2号機(70kW×2)に加え、新設3-4号機(65kW×2基)の石炭火力発電所から発電される電気の、ほぼ全てを関西電力が引き受ける(買い取り)契約を締結しており、顧客に販売している。つまり、神戸にある4基の石炭火力発電所の将来は、関西電力がどのように脱炭素の取り組みを進めるかにかかっているのである。

 

3自治体のなかで唯一、石炭火力発電所が立地しているのが神戸市であるが、神戸市は、石炭火力発電所の新設禁止を求める京都市の提案(第6項)に名を連ねていない。目の前にある、大気汚染物質、温室効果ガスを大量に排出する石炭火力発電所の環境影響に対して、無責任であるといわざるをえない。神戸市は、関西電力の株主として、同社に対し、経営方針の転換を求め、神戸発電所との受給契約の早期解消を求めるべきである。

 

なお、1.5℃目標を実現するには、京都市提案のように石炭火力の新設禁止を求めるだけでは不十分である。国の2030年の温室効果ガス削減目標である46%削減(2013年比 最大50%削減をめざす)の達成が危ぶまれる状況にある。さらに国際的には先進国において2030年の脱石炭が要請されていることを踏まえるならば、既設の火力発電所の閉鎖が必要である。1.5℃目標の実現へ、削減の道筋をより明確にするには、関西電力に対して、受給契約先の発電所を含む石炭火力発電所の廃止に向けた行程表の作成を求めることも必要である。

 

関西電力に対しては、3自治体の自治体株主の提案を真摯に受け止め、再生可能エネルギーの最大限の導入を通じ、脱炭素社会の早期実現に貢献する方針を打ち出すことを求めたい。

 

(参考)3自治体による提案内容

比較一覧表:https://tinyurl.com/yyxqzwe3 (作成:神戸の石炭火力発電を考える会)

 

神戸市:https://www.city.kobe.lg.jp/a36643/press/20220426.html

京都市:https://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000297511.html

大阪市:https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000264358.html#r040427

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【コメント】関西電力株式会社 第98回定時株主総会における3自治体の株主提案について(全文PDF)
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【声明】神戸製鋼所 新規石炭火力発電所 4号機火入れへ抗議 -神戸にある石炭火力発電所の早期廃止、稼働中止を求める-(2022/05/06)

2022/5/6

神戸の石炭火力発電を考える会

【声明】

神戸製鋼所 新規石炭火力発電所 4号機火入れへ抗議

-神戸にある石炭火力発電所の早期廃止、稼働中止を求める-

 

本日、当会は、神戸製鋼所が4月28日に、神戸線条工場内(神戸市灘区)において建設中であった新設石炭火力発電所(神戸発電所4号機)にて、火入れを行ったことを確認しました。これは、営業運転開始に向けた事実上の試運転開始に他なりません。

当会は、将来にわたって安定した気候のもとで暮らす権利を守るために、石炭火力発電所の建設・稼働差止を求める民事訴訟、建設を認めた国に対する行政訴訟の2つの裁判を提起した原告を支援しています。これら裁判の係争中に運転を強行する企業姿勢に強い憤りを感じます。そして、大気汚染、気候変動への影響を顧みず、新たな石炭火力発電所を稼働させた神戸製鋼所、ならびに発電された電力を買取り・販売する関西電力に対して抗議するとともに、2030年までのできるかぎり早期に石炭火力事業から撤退することを強く求めます。

 

国際社会はパリ協定、グラスゴー気候合意を受けて、気温上昇を2℃より低い1.5℃に抑える努力が必要との認識に立っています。気候変動対策を進めるうえで、とりわけ石炭火力発電に対する国際認識は、3-4号機が計画された2014年から大きく変化しています。当会をはじめ、深刻化する気候危機や大気汚染による健康影響を懸念する市民は、石炭火力発電を新たに計画した神戸製鋼所に対して、国際社会における気候危機回避の要請が高まる状況を踏まえ、計画の見直しを求めてきました。しかし、神戸製鋼所は石炭火力発電事業の拡大を強行しました。地球環境、地域環境を顧みず、環境影響を懸念する市民の声に応じなかったことに対して、怒りを禁じ得ません。

 

気候危機の回避に必要とされるのは、急速かつ大幅な温室効果ガスの排出削減です。そのためには、温室効果ガスの主要排出源となっている石炭からの脱却が必要とされています。折しも、報道によれば、今月下旬に予定されるG7(先進7カ国)のG7気候・環境大臣会合の共同声明案において、「各国内の石炭火力発電を2030年までに段階的に廃止する」文言が盛り込まれているとされています(朝日新聞2022年4月26記事等)。しかし、日本政府は、国内における石炭火力への依存度が高いことから、文言の削除を要求し、孤立しかねない状況にあると報じられています。今や本件石炭火力発電の問題は、立地地域である神戸の問題にとどまらず、気候危機の回避に向けて歩もうとする世界の取り組みに逆行するものとして、悪影響を及ぼしています。

 

今回の4号機が営業運転の開始に至ると、神戸市灘区に石炭火力発電所が4基稼働することになります。これらの設備からは、年間最大1,372万t-CO2の排出が見込まれます。日本における温室効果ガス排出量(年間)の約1.3%に相当する膨大な量です。また、石炭火力から排出される大気汚染物質は、神戸市における最大の固定発生源です。かつての大気汚染公害裁判の被告企業である神戸製鋼所、関西電力が、再び神戸の大気を汚すことは、公害地域の再生の取り組みに逆行する暴挙と言わざるを得ません。

 

今後も当会は、地域・地球環境に悪影響を与える石炭火力発電所に対し、2030年までの早期廃止を求め続けます。そして、地球環境を保全のために行動するあらゆる世代の市民、団体と連帯し、エネルギー政策の転換、環境問題の解決に尽力していきます。

以上

【連絡先】

神戸の石炭火力発電を考える会(TEL:080-2349-0490

 

メール kobesekitan@gmail.com


声明全文(PDF)

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【声明】神戸製鋼所 新規石炭火力発電所 4号機火入れへ抗議 -神戸にある石炭火力発電所の早期廃止、稼働中止を求める-(2022/05/06)
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